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タイ旅行記 – ブランド・コピー品編

鴫原です。

更新が遅くなりました。今回はコピー品(偽造品)編です。

タイの街を歩いている人々をみるとシャネル、ヴィトン、ゴヤール、グッチ、そしてロレックス、とブランド所持率が非常に高く驚きです。
日本人もブランド品が好きですがタイの方々ははそんなものじゃなさそうです。

そしてタイの街を歩くとコピー品専門店?が至る所にあります。コピー品を売っている露店*ここは以前は風俗街だったところが浄化作戦により風俗店が姿を消し、今ではコピー品街となったそうです。

露店だけではありません。コピー品を売っている露店*ある大型ショッピングモールの1Fフロアの8割はコピー品専門店でした。

出来の悪いコピー品を売っている露店*露店で売っているのは出来が悪いものが多く、酷いものは5m離れていてもコピー品と分かります。

藤田さんとタイでお仕事をされ長期滞在している山本さんにお付き合い頂き、コピー品のレベルを調査することにしました。山本さんは何十年もタイでお仕事をされており、タイ語もペラペラです。
ここからは写真を撮れる状況(勇気がないだけです)ではないので文章だけとなります。
露店ではなく店舗型のコピー店に入りましたが、あまり出来はよくありません。
怖そうな店員さんにもっと出来の良いものが無いかと尋ねると、ついてこいとのこと…

『最近タイでは拉致が流行っていると聞いたけど。拉致されたりしないよな…』と恐れながらもついていくと、別の店舗に案内されました。

確かに先程の店よりは出来が良いものが並んでおりますが、当店にも頻繁に持ち込まれるコピー品レベルです。
先程の店員さんと比べると、このお店の店員さんはにこやかで話しやすそうな方です。
再度、もっと出来の良いものは無いかと尋ねました。
一瞬、店員さんの目が輝いたのを僕は見逃しませんでした。
「ついてきて」と言われるままについていくと隠し扉が開き、案内されます。
隠し扉の先には防犯カメラを写したモニター等がある事務所風のところでした。
『ここでコピー品を見せてくれるのかな?』と思っていると鏡がドアのように開き、更に奥に案内されます。
二重の隠し扉の先には階段があり、それを登っていきます。
『やっぱり監禁かも・・・』と思いながら階段を一段一段登っていくと・・・

一階の店舗の倍はある広さの部屋に沢山の品物が並んでいます。どうやら拉致ではなさそうで安心しました。
エルメス、シャネル、ルイヴィトン、ディオール、グッチ等の人気商品が所狭しと並んでいます。
先ずは一番出来の良いバーキンを見せてもらいます。
店頭で査定するように隅から隅まで見てみてもかなり出来は良く、熱心にコピー品の勉強をしていない人なら本物と思うレベルです。
ただ、私が今までみてきたコピー品の中でかなり上の出来ではありますが、最高ではありません。

私「このバーキンはいくらですか?」
店員さん「15万円だよ」
私「もうすこし出来の良いのはないの?」
店員さん「よく知ってるね!最近入ってこないんだよね。でもこれで十分だよ。大阪の●●の○○なんか500万円分も買っていったよ」
15万円という単価も驚きだけど、500万円分って…その品物の先の流れはどうなるのでしょうか?

次は時計を見せていただきます。
数点見ても良く見かけるレベルの出来です。
時計はあまり得意じゃないのでしょうか。

続いてはディオールのブックトートです。4種類あり、面白いことに価格により出来が違います。
以前搾取問題でニュースにもなりましたが、こういう原材料が安いモデルは原価≒製作時間でしょうから、ある意味正直な価格設定な気もします。
とはいうものの、正直という表現は適切ではないかもしれません。勿論タイでもコピー品販売は犯罪で、警察も放置しているわけではなく偶にブランドの社員と警察が取り調べに来るそうです。
「先日はゴヤールと警察が来たよ」とにこやかにしゃべります。
「でも事前に情報が入ってくるから問題ないんだよね」
確かに2重の隠し扉に、事前情報があれば簡単には摘発されなそうです。

当店は全国質屋ブランド品協会(ATF)に加盟しているため毎月コピー品の勉強をしていますが、これだけたくさんの上質な(?)コピー品をみれる機会はありません。
もっと見ていたかったのですが、お付き合い頂いたお二人にも申し訳ないですし、店員さんにも申し訳ありません。
欲しいものが無いので帰りますと伝えると「また来てね」とすんなり返して頂きました。

紛らわしい店名・外観のお店偽物ではないけど微妙なラインのお店もいっぱいありました

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