おはようございます。鴫原質店の弟さんです。
本日はブラックライトを使用した検品方法のご紹介です。ずっと前にブラックライトについて書いたことがあるので(前回はこちら)、ご興味があればご覧ください。
まず始めに、こちらはルイヴィトンのエレクトリックエピというラインのお財布です。光に反射する光沢があるエナメルのような素材という感じでしょうか。ピカピカして高級感があります。そして今回の内容は少しだけダークかもしれません。目では分かりませんが意図的に少しいじった可能性が発見できます。(こんなこと書いていいのだろうか‥‥‥。)
下の画像の右上部分の赤丸のあたりを注目。よく見て下さいね。中古品なので小さな傷などは沢山ありますが、目で見る限り何も違和感はありませんね。
そしてここにブラックライトを照らしてみると!。意味不明な「黒い点」が浮かび上がります。これはこの部分の塗料や素材が違う場合に見る事のできる現象です。(上と下の丸の位置、結構ずれてますね。)
例えば、角が擦れて中のレザーがむき出しの状態の場合は、もちろん素材が違うので同じような現象が見れます。ただし、これと上の黒点では少し意味が違います。スレて表面のエナメル素材が剥げて、内側のレザー素材が露出しているところが写真でも確認できますよね。そもそも素材が違うので反応が違うのは当たり前です。なのでこの点に関してはまったく違和感はありません。
では上の黒点は何なのでしょう?。はっきりとは分かりませんが、恐らく何かの黒い塗料(例えばマジックなど)を上から塗っている可能性があります。ただ、正直言って何をしているかは分かりません。目で見た時に、大きな傷や穴や素材のめくれなどは特に見られないので、表面の何かが違う事だけは確かかな。
エルメスにバーキンをメンテナンスに出した時、色の染め直しとレザー表面のなめしで、ボロボロのバッグが普通の中古品といった感じに綺麗になってきたことがあります。また当店でも、革のメンテナンスを目的にレザーワックスを使用する事があります。そうすることによりスレている部分が若干目立たなくなる場合も。革靴のメンテナンスと同じ原理です。品物のメンテナンスとして何かしら手を加える事が、全て悪い事ではない気がします。ただ、上から色を塗るというのは少し微妙なラインですね。会社やその人の判断だから何とも言えないけど、当店ではこのような品物は販売できません。ただ、「悪い事だ」と言っているのではありません。完全塗装品としてヤフオク!などで色々な売買がされている現状を見ても、安さと見た目での需要はあるように思います。あくまでも、当店ではATF(全国質屋ブランド品協会)に加盟しているので、弄った商品の扱いには結構うるさく、当店の規定ではアウトなだけです。その点はご理解下さいませ。
ブラックライトで照らすと、このように目では見えない何かを見る事ができることがあります。使用する時の殆どは、ダイアモンドの蛍光性を見る時に使ってますが、たまにこのような品物の検品にも使います。品物によってはライトに反応して変化が起きるものも(例えばこちら)。という事で、本日はブラックライトを使用しての商品検品についてでした。
ただ注意点もありまして、何やらこの光は体によろしくないようです。特に目に当てるのは控えたほうがいいとか昔から言われております。私はこの真意や原因は知りませんので、ご興味ある方はお調べ下さい。
本日は以上でございます。