鴫原質店の弟さんです。
今回はお店で買取した指輪のお話です。当店では中古の宝石を販売をしてますが、買取品の中で店頭に商品として並ぶのは買取品の2割位しかなく、多くのものが金属として再利用される方へ向かいます。私たちは「潰す」とか「溶かす」と言いますが、そのスクラップ専用置き場からこの指輪を発掘してきました。 デザインが古く、更には石も欠けており、これを宝飾品(ジュエリー)として購入頂ける可能性は低そうです。それ故に金属スクラップの判断が下されたのかもしれません。
悪く言えば古臭い、良く言えばアンティーク。でもね、個人的には「素敵なルビーだ」と思ってしまったのです。時間の無駄になる可能性が高いですが、私の個人的意向で販売努力をしてみます。商品画像を撮って、素敵と感じた部分を商品写真で掲載してみます。(※使用している画像は全て商品画像を転用してます)私の思入れが通じたのか、いい感じに映ってくれます。10年くらい前は宝石好きのお客様がとても多く、このような品物を喜んで買ってくれたことを思い出しました。デザインや金額重視の現代ジュエリーとは異なり、「これこそが宝石だ」と言わんばかりの輝きを放ちます。売れればいいな~。
凄く地味に見えるこの指輪も、こんな感じで見てみれば素敵でしょ。(完全に自己満!)強い光で照らしており若干サギっぽく感じるので、画像に赤文字で書き足します。誤解は避けたいので。
蛍光灯の光でも見る事ができるシルクインクルージョン。この青い光は過熱処理がされてない場合に見られる現象です。でも加圧温度が低い場合にこの青色が残存する事もあるらしいので、現段階で非加熱とは言い切れないとの事。判断は見た方にお任せするので、この光が見る事がこの写真一枚で伝わればいいな。産地証明やソーティングを取る費用は無駄になる可能性があり、この現象のみで価値を感じてくれる人がいればいいのですが。というか普通の人が見たら「何だこれ?」ってなりそうですね。これでいいのか本当に悩みますが、石が好きな詳しい人以外は買ってくれないと思うので、いい事にしましょ!。
詳しい方なら分かってくれるのかな?。顕微鏡でシルクインクルージョンをバシッと撮影しました。
このシルクインクルージョンって見てると本当に綺麗です。顕微鏡を覗いている時、光の反射角度を変えるとキラキラと輝いてます。でも普通はこれを見る道具ってありませんよね。私は幸せものかもしれません(笑)。ここまでやっていながら、「これは本当に商品画像なのか?」と感じる自分もいます。完全に自己満の状態です。商品説明にすらなっていない気がしますが、シルクインクルージョンがしっかり見えるスタールビーで青色の反射もあるという事が伝われば‥‥‥。
悪い部分もしっかりと。石の傷を顕微鏡で撮りました。傷があるって言ってもさ、人の手によってついた傷かどうかは分かりませんよ。もともと地中深くに埋まっていた鉱物をカットしたものが宝石です。その生成の過程でヒビ割れする事など当たり前にあるので、判断は全て見た方に委ねます。
ということで商品画像を撮ったついでにブログに書いて見ました。昔はこういうルビーって凄く人気だったんだけどな。今時のファッションでは宝飾品として成り立ってないのかもしれません。だとしても、跡形もなく壊すのはいつでもできるので、品物に敬意をもって次の所有者様を探してみます。買って貰えればいいね。もし売れなくても新しい別の枠(台座)を見つけてあげたいと思います。でもこれって商品画像として成り立っているのかしら?。普通の会社だったら上司に叱られそうな気もします。やっぱり私は私は幸せものかもしれません(笑)。
本日は以上でございます。
<令和3年5月31日に追記します。>
5月28日にこの指輪に関してヤフーオークションを通じて色々な質問を頂き、指輪を購入頂きました。ルビーの真贋について不安があるようでしたが、当店の社長であるGAI GGが「私が鑑定してます」「別途費用はかかりますが、中央宝石研究所かGAIで鑑定書をつくる事ができます」など返答をしたところ、当店を信用頂き購入してもらいました。写真の出来栄えが良すぎる(肉眼で見る事が出来ない部分を沢山画像に載せている為)こともあり私はかなり不安になりましたが、先程メールにてとても気に入ったという旨の連絡があり安堵しています。違う商品についての質問も頂いているので、本当に宝石が好きな方だと想像できます。専門性に特化した商品画像でしたが、分かってくれる人だったり、本当にいいものを欲しい方に突き刺さる情報だったのかもしれません。私にとってもいい経験になりました。