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古いシーマスターの電池交換

鴫原質店の弟さんです。

質流品の中に古いオメガの時計がありました。アンティークシーマスター 古いシーマスタープロフェッショナルで200メートル防水のクォーツ(電池式)時計です。正確には分かりませんが1990年代前後に販売された商品という事。電池切れか壊れているのか、蔵から出してきた時点で動いておりません。こんな時はまず最初に動くかどうかを調べないと!。私の感覚で正直に言いますと、30年も前の電池式時計が何の問題もなく動作すること自体、とても不思議な事に思います。

という事で電池交換をしてみます。因みに私、この時計を開けるのが初めてで少しだけウキウキ。初見の品物は色々と考えながら触っていくので結構楽しかったりします。時計をホルダーに固定まずは時計ホルダーに固定。裏蓋を見るとシーマスター専用工具を使わない構造ですね。

取敢えずは一般的な裏蓋オープナーで回してみます。オープナーで裏蓋を回すかなり手ごたえが硬く手が疲れます。錆によるものか、時計自体の精密な構造なのかは分かる由もありません。

ネジ構造になっている裏蓋を回すと、外周のみが外れて中央の裏蓋はまだ残っています。裏蓋そのものが2つのパーツで構成されている事が分かりました。裏蓋を外した様子そして灰色のゴム素材が目につきます。どういう構造何だろう?と色々推測しながら次の手を考えます。

隙間からピンセットで恐る恐る触ってみると灰色のゴム素材はパッキンのようなものだと判明します。パッキンを取ってみるそしてこの灰色のパーツを取ろうとすると、固着した裏蓋もくっついてきてしまった(汗)。裏蓋と固着したパッキン古い時計だとよくある現象ですが、これを壊したら代用品がないので気をつけないとね。でもこの構造で200メートルの防水性能か~という感じ。最初に開けた裏蓋の外周と裏蓋中央部分、そしてケースの気密性がとても高いのかな。

そしてムーブメントまであっさりと到達。結構簡単ジャン!。ムーブメントの画像Cal1438と印字があるムーブメント様。スイスが世界に誇る、大手時計製造メーカーのETA社製ムーブメントです。ETAのムーブが使われている品物は、何かが壊れても殆どの場合は修理が可能で、私は個人的に好きだし見ていて安心できます。汎用性であるが故にパーツの供給体制がしっかりしており、部品自体の価格も割安なので修理費も安く済むことが大きな利点。そしてこの時計に関して言えば、SR916SWという大きな電池を搭載しているところも私好み。電池交換の頻度が減るしね!。

そして電池を交換したら動作してくれました。メンテナンスの際に部品交換をした可能性もありますが、30年前に製造された電池時計が動いている事自体が凄いな思います。古いモデルで残存の個体数も減少していると思われ、今後また触れる機会はあるのかないのか。もしかしたらこれが最後かもしれないので、ブログに残しておく事にしました。

本日は以上でございます。

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