鴫原質店の弟さんです。
今回は数日前にお店で売って頂いたお品物に関して書いてみます。今日の題材は、イギリスのマン島エンジェル金貨(20分の1オンス金貨)が埋め込まれたペンダントヘッド。少し首が長めのステキな女性はエリザベス2世ということ。
裏面には翼のあるたくましい男性が大蛇と戦ってる絵柄が表現されております。エンジェルって女性的なイメージがあるけど、考えてみれば天使って意味ですね。美しく可愛らしい女性が描かれているという、おじちゃんの身勝手な妄想を打ち砕く、強そうな天使様にペコリとお詫び。ちなみに、意味深げに囲ったところには「FINE GOLD 1/20 OUNCE」との刻印。日本語に訳すと「純金約1.6グラム」のコインという意味ですが、このコインの純度は22金です‥‥‥。知らないと損しますね。
今回はこのペンダントヘッドの枠の刻印に注目しました。「GD18K」ってなんだ?!。18金ならK18と刻印すると思われるので、恐らく何かしら意味があるのでしょう。いい機会なのでどのくらいの金性なのかを調べます。(これが本題ですね)
基本的にやる事はいつもと全く同じ。まずは破壊から!2カ所に切り込みを入れたのは中身が空洞でないことを確認する為です。
そして次に試金石と硝酸を取り出します。比較対象など必要ありませんが、目の前に22金のコインがあるので痕跡を比べてみます。そこに痕跡に硝酸投入!。結構消えてしまう事を期待したのですが、「なんという事でしょう‥‥」、GD18Kさまは結構純度の高い金のようです。この場合において、金以外は跡形もなく消し去る硝酸に浸かっても、堂々とその形を維持しています。10金や9金は結構薄くなるので、この時点で14金以上あると予測ができます。
そして絶対的にグラムが少ない環境では、参考にしかならない比重検査!大気中の重さが3.01グラム、水中での重さが2.78グラム。
比重=3.01÷(3.01―2.78)=約13.1
比重だけで見ると14金の数値と近似値ですね。あまり意味ないですが一応科学的根拠という事で!。
という事で、今回の「GD18K」は14金から18金くらいの割合で金が入っていると推測します。もちろん個体差があると思いますが、こんな感じでサクッと検査してみるとその正体の推測が簡単に可能です。最後になりますが、地金屋さんはこちらのGD18K刻印の金属を16金として買ってくれました!。「14金で買いたいところ」とぼやいていたので、現実的には14金である事が多いのかもしれませんね。参考にならないと言ってしまった比重検査をしてなかったら18金として扱いそうですね。だって硝酸の残り具合が良かったし。比重偉いな~(←参考になるじゃん!)。
FINEGOLD(24金)と刻印されたコインが22金で、GD18Kと刻印された金属が16金だったり。金銭的な価値があるものなのに、その表示は結構いい加減な感じですね。ま~あまり悩むことは無いので問題はありませんが、一般の方が購入された場合にトラブルとか起きないのかしら?。表記は統一した方がいいのではと思うこの頃です。
本日は以上でございます。