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思い出の着物と七五三のお参り(後編)

鴫原質店の弟さんです。

あっという間に週末になってしまいました。今回は思い出の着物を纏って七五三のお参りをした話の続きを書いていきます。前回は寝起きで超絶不機嫌極まりない娘さんの話から、とんでもない方向(スタジオ撮影)に話が向いて殆ど話は進みませんでしたが、車で寝ぐせを直して境内に向かうところから再開です。

着物には帯に合わせたバッグや草履などが用意され、トータルコーディネイトされる事が一般的です。靴を履いた様子それでも境内までの道のりは階段が多い為、靴を履かせて歩いて頂くことにしました。これに関しては「機嫌が悪いから」という理由の他、歩くのが大変な草履をワザワザ履かせる必要を感じないから、という私なりの感覚もあります。草履って指の間が痛くなるし、転んで着物が汚れても大変だし、色々考えると見た目を整える為の一部として存在しているだけのように思うからかな。(←私の個人的な考えです。)バッグも草履も着物の上から羽織るマフラーみたいな物も、大人が手分けして上まで運びました。

そして境内の入り口で草履に履き替えます。草履に履き替える様子同行して色々と手伝ってくれた長女もまたチビ助の機嫌取り係に務めます。

そして境内に到着し、初めて全ての装備品を身に纏いました。完全武装の様子「ステキね~」などと思ったら、赤い布切れが落ちそうになるし(実際落ちた)重いからいらないとの事。少し残念ですが子供の気持ちを尊重します。

そして境内でお祈りをして目的達成です。大きなトラブルもなく安心した瞬間です。祈祷する様子大河ドラマが好きな私には、戦の勝利を願う戦国武将の娘のように見えてしまいました。相変わらず怪しい妄想に取りつかれますが、足開いてるし・・・・何というか・・・・召し物に対しての素行に品性が感じられません。馬子にも衣裳とはまさにこのことを言っているのでしょう。

そして次は恒例の子供おみくじ。子供おみくじを引く様子暫く前は「大吉」しか入っていないと思っていましたがここ最近は大吉がでません。ただ何を引いてもいい事ばかり書いてある子供おみくじはとてもお勧めです。この辺りになると、このおチビ様はいつもの調子を取り戻し、感情の起伏は消えていたようです。

境内の帰り道。わき道にそれた娘さんにお願いして写真を正面から取らせて頂きました。カメラ目線の子供の写真何かやっているところをコソコソと撮影していましたが、カメラ目線の写真が少なかったので、承諾してくれて良かったな~というのがその時の感情です。そして撮った写真を見てみると、後ろの背景と建物の雰囲気からアニメの風景が連想され、「なんかこれ、禰豆子っぽくて可愛よ」と娘に写真を見せてあげます。

「え~~ネズコ~~!」と反応し、今度は気分が超絶ハイに変化してしまいました。ポーズを決める子供の写真神社に着いた時からずと嫌がっていたくせに、今度は写真を撮れと指示してきます。その上、何かに憑りつかれたかのようなポーズに笑ってしまいました。特に足のポジションが・・・・・(汗)、戦国武将の娘さんではなくお公家様かな?。草履を履いている時にやって欲しかった!。その後は、ルンルンとした娘さんを色んな場所で撮影をさせてもらえたので本当に良かったです。ちょっとした気分の変化が、いつもの陽気な娘さんを更に陽気にしてしまいました。最初に気が付けばかったな・・・。でも、「鬼滅の刃よ、ありがとう!!」。

後半からは最後まで超絶上機嫌の娘さん。夕日がお参りの祝福をしてくれているような場面に出会います。夕日に反射する着物が幻想的にみえる様子夕日が着物に反射して輝いています。写真を取る為に「禰豆子さん!覚醒ですか?」とか「スーパーサイヤ人か!」など子供が分かる単語で盛り上げて、10枚以上撮影させて頂いた写真の1枚です。個人的には「座敷童っぽい」と思いましたが、座敷童って妖怪かお化けだったような気がしてちょっと失礼かもね。映画のワンシーンのような光景はともていい思い出になることでしょう。しかも写真を撮り終えた後、娘さんが「も~撮らなくていいの~」と撮影を催促してるらしき言葉を申されていた事も記憶の中に残り続けると思います。

そして車に到着後、装着品はその場で外させて頂きました。着物や装飾品をしまった風景祖母や母が残してくれたこの着物たちは既に次の役割が待っています。その姿を変えないよう綺麗に保管させて頂こうと思います。偉そうに言ってますが、全ては奥様が丁寧にやってくれているだけで私は何にもしてませんけどね!(汗)。15年以上前の着物がこんなに綺麗に残っているのも奥様のおかげなのです。

思うがままに色々書いてきましたが、七五三のお参りで何のトラブルもなく気持ちよく終われたのは初めての事。草履を履かせなかった事とか、スタジオで着るドレスの数を減らしたとか、写真選びを後回しにした事なども功を奏したと思います。とにかくできるだけ子供に無理強いさせない事を望み挑んでみましたが、ある程度は満足できるレベルで終われたような。少なくとも今まで何度か体験してきた七五三のお参りとは、比較対象にはならないくらい感情も穏やかに過ごました。子供が成長していくように、私たちも親として成長してきた結果なのかもしれません。

そして次の七五三に備えて「寝ても問題ない髪型(何故普通の髪型でダメなのか?)」とか「普通に座っても大丈夫な帯(又は姿勢)」なども考えてみたいかな。そもそも私は「着物なんて着る必要あるのか?」と考えてしまう人間です。ただ、「子供に着物を着せたい」という祖母・母親・嫁の女性連合の思いが重なりこのようになっているので、子供を含めた皆の思いをうまく調整していくだけかな。子供の記憶に「七五三は楽しい出来事だった」と残せるようにもう少しだけ頑張りたいと思います。

本日は以上でございます。