質屋のスタッフブログ
2019年05月20日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋で使うアイテム。
紹介するのは「レプシ ウォッチアナライザー」です。
これは以前紹介した時計のタイムグラファー「ウォッチエキスパート2」と同様の使い方をする道具。タイムグラファー自体が高価なものなので現在でも162,000円で楽天市場などでも販売されているようです。
その特徴はスマートフォンやタブレットとつなぎ、その画面で測定データを見るということと、小さく軽いのでどこにでも持ち運びができること、場所を選ばずどこでも測定できるというところでしょうか。本当に素晴らしい一品です。
振動数、振り角、精度、拘束角が確認できるだけでもう機能的には十分すぎますが、測定時間の計測やアプリ内でのデータ管理なども可能で、まさに情報化社会のタイムグラファーというにふさわしいアイテムですね。
(言葉の意味などについては質屋あれこれの過去記事からウォッチエキスパートで確認下さい。)
お店には愛用のタイムグラファーがあるので店舗では使いません。
ですが私たち質屋さんは全国のオークション会場で時計をみて仕入れを行います。そんなときに時計の内部状況を調べることができたら!そんな思いから購入したようです。
この画像の台の上に腕時計をおいて、コードでスマートフォンとつないでアプリを起動するだけで時計のテストができるってすごくないですか!本当に最高のアイデアだと思います。
しかしながら使っておりません(涙)。
(欲しい人にとってはすごく怒られそう)
それでも「猫に小判」とか「豚に真珠」とかの意味に当てはまるとは思ってはおりません。決められた時間のなかで時計の下見をする為、一つ一つ計測する時間がないことを、この道具を手に入れて初めて気が付いたという感じでしょうか。非常に多くの品物が出品されてくる市場では、一つ一つを下見した上で購入価格の限界値を算出します。
その時の相場や外装の状態や付属品などなど。大体の場合は時間が無くてすべての出品物に目がいかないことが多いはずですが、それを時計内部にまで目を向けたら作業時間がさらに短くなります。出品されている時計を全て下見できるほどの人員と時間さえないだけです。
言い訳に聞こえますが使いたいのですが使えない感じでしょうか。
スタッフが増員され時計の仕入れにさらなる人員と力を我社が注ぐとき、この道具は非常にいい仕事をしてくれるに違いないので、それまではゆっくりと眠らせてあげましょう。
お店にあるけど使ってないアイテムが3連続続きました。(汗)
どこが質屋で使うアイテム紹介なんでしょう?(笑)
次はちゃんと使っている道具を紹介しないと!
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
腕時計の修理/電池交却/販売/買取/売却は仙台の鴫原質店へ
お見積は無料ですのでお気軽にご利用下さい。
2019年05月18日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋で使うアイテム。
バッテリー&パルスチェッカー(QBC-22)をご紹介。
はっきりと申し上げますが使いません。
(じゃ~なんで取り上げたとの声が聞こえそうです!)
「質屋で使うアイテム紹介?」と突っ込みもありそうなので私は使いませんと濁します。
(最近は当店にあるアイテム紹介になってきた?)
説明書の画像を載せるので、その後使用用途を解説しますね。
上記の説明を読んでご理解いただけたように、時計をくみ上げた後の動作確認で使用するものです。言葉を変えていうと、組立したものやオーバーホールしたものの動作テストなどに使われるもでのす。しかもこれ8,500円もしたのか?
ですが私は質屋でございます。
時計の分解清掃はやりません(笑)
このままではブログの内容的につまらないのでちょっと昔話を!
全く別の話ですが、数年前に東京のある時計工房で「時計技能士2級の試験対策講座」という3日間の研修を受けてきたことがあります。この2級の国家試験に合格するには、クォーツムーブメントの分解と再組立てという課題も入っており、それらの手順を詳しく説明頂きながら実践してきました。
その内容はアルバのクォーツムーブメントを全て分解しそれを全て元通りに組立てること。
部品が少ないはずのクォーツなのですが、初めての細かい作業に私は四苦八苦の状況です。針を傷つけないように抜く作業や文字盤のセッティング、一般的なカレンダーの構造やその部分をリューズ操作で動かす仕組み、リューズとオシドリネジの関係や時計の多重構造などなど様々なことを、「きずみ」という3倍程度の拡大率のルーペを常時つけながら、実際に目の前で見て考え体験させて頂きました。
組立てのときは必要な個所に油を差し、組上がったムーブメントの電圧を測り規定値におさまるかどうかがチェックされます。油が多くてもダメですし、埃がはいってもだめですし大変な作業です。時計の油って一般的に思う「1滴」の10分の1もいらないのです。今ではいい思い出ですね。私が色々とブログに書いているもの、例えばドライバーに関する色々なことも、そこで教えて頂いた技工士の方(時計技能士の1級をお持ちの方です)に教わったものです。
時計の構造など本屋インターネットを見れば簡単に分かる時代です。ただ実際に時計の輪列(歯車の重なり)を自分で組むのは大変です。油をつける場所など一生懸命考えてここだ!などとやってみるも、結果して歯車の負荷になる部分に油が広がり、全ての歯車を油とりの液体で清掃し、それを何度も成功するまで(=又は時間切れになるまで)繰り返します。非常に簡単な構造の卸価格が200円程度のムーブメントでしたが2日間かかってやっと分解と組立が終わりました。でも最後は消費電力が規定を超えていただので、どこかしらに負荷がかかったまま組み立てたという残念な結果。油の量が多かったのだと今では思います。
話をそらしましたが、このアイテムは組上がったものをテストすること、又は分解する前に時計の悪い部分を非常におおざっぱに想定できるという便利さがあります。クォーツムーブメントの分解をする質屋さんがあればそちらではご使用いただいているかもしれません。でも当店では不要です。不調があれば速攻で時計工房に確認をお願いしてしまいますので。
だって!餅は餅屋っていうじゃないですか!(^-^)
アイテムの説明を載せてすぐ終わりのはずが、まただらだらと書いてしまいました。
もう終わりにします。
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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2019年05月15日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋のアイテム。
HOROTEC(ホロテック)社の「ターボテスター」をご紹介。
このアイテムは磁気の力を利用して外から時計内部のムーブメントを動かすことのできる機械で、電池時計(以下クォーツという言葉を使います)のみに使用することができます。
具体的にいうと輪列(時計の歯車の重複構造)を磁気の力で動かして、歯車を中心とした機構の動作確認を確認できるものです。また微小な塵や油の塊などが歯車にからみ、ムーブメントがもともともっている力では針が動かない場合に、強制的に凛冽を動かし除去するなどの為に使われるということです。
(※販売ページから言葉を頂きました)
動力が外部からの磁気によるものの為、電池が切れて動かないクォーツでもこの上にのせて「ON」というボタンを押せば秒針や長針がクルクル動き出します。
(動いているところをお見せできればいいのですが)
そしてまた、電池が入っているクォーツでもクルクル動き出します(^-^:)
ここまでみると何やら素晴らしい機械のように思えますが、殆ど使用しません。
使用する時といえば、電池を入れても動かないとか、針がカクカク動くとか、何かしら動作に異常がみられるときにたまに使用するくらいですね。でもこの道具で強制的に動かしたところで、何の整備もなく販売できる状況に戻ることないと思ってますので、使用する意味もあまり感じません。
何故か!
内部に問題があるから動作しないものなので、一時的に動いたところですぐダメになる可能性が強いからです。
そしてそのようなものをお客様に販売するわけにはいきません!
ここからは推測ですが、使用目的が違うように思えます。
新品の製造組立時やオーバーホールの時に輪列の動作確認の為に使用することはありえそうです。でもコイルやステップモーター(永久磁石)が組まれている状況で、磁力により時計を強制的に動かすという行為は腕時計にとっていい事ではないと私は思います。
動力がゼンマイによるものでも電池によるものでも、時計にとって磁気は大敵です。携帯電話やテレビのスピーカーや、電動カミソリや掃除機などのモーターの入ったもののすぐそばに時計は置くものではありません。インターネットで気軽に買えるアイテムかもしれませんが、使用の際はその目的を十分考えてから使用して頂きたいアイテムです。
質屋で使うアイテム紹介?
最近思うに当店にある道具の紹介になってきました(汗)。
こんなアイテムがまだあるので「使ってないじゃん」などの突っ込みご容赦下さい。
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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