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ダイアモンドの「クラリティ」グレードについて

鴫原質店の弟さんです。

毎年大体この時期にダイアモンドを整理しており、売れない品物からダイアモンドを取り、それをソーティングに出したりするので、鑑定結果がでた品物がいつもより多くなります。そんな理由でブログにダイアモンド関連を書いているのはこの時期が多いかも。そしてまた何度も繰り返し出てくる話題なので、面白みに欠け退屈な話だと思われますが、ダイアモンドの4C(「クラリティ」「カラット」「カット」「カラー」)について4回に分けて書いていきたいと思います。3つのソーティングノート今回はダイアモンドのグレーディングの一つ「クラリティ」に関して。教材は画像の3つで「VVS2」「SI1」「VS1」の3グレードのインクルージョンを確認してみます。そもそもにして、ソーティングを出す前からグレーディングを想定して買取や仕入れをしてますが、グレードが確定した後にしっかりとそれを確認する事はかなり大切な事だと思っており、テストの答え合わせをする感覚でしょうか。問題を解いて答え合わせをしないと、自学自習にすらなりませんから。

中を拝見させて頂くダイアモンドの大きさはこんな感じ。全て1カラット(0.2グラム)アップだらかちょっと贅沢な気分になりました。3つのダイアモンド左から「VVS2」「SI1」「VS1」の順番に並べた理由の一つはカットグレードの比較ができるから。一番右だけ少し小さく見えるのはカットグレードがFAIRで、縦長なダイアモンドだからです。そして並び方のもう一つの理由は価格順(左が高価)だったりして。

それでは「VVS2(Very Very Slightly Included)」の評価を顕微鏡で確認してみます。VVS2を顕微鏡でみた画像少し眺めてましたがインクルージョンは発見できません。左下の〇で囲んだ部分に何やら白いのがついていて、「これかな?」など拡大して見てみるもただの汚れでした。小さな埃も少し表面についており、あまり関係はないのですが、小さすぎる内包物の発見の妨げになってます。

ちゃんと洗浄してからなどと思い、ピンセットで摘まんで水洗いしてたら落としてしまった(実話)!。流し台に落としてしまったダイアモンドこれは結構あるあるな話で、0.2カラットなどの小さなダイアモンドだと発見に相当な労力を使い、そしてメレダイアに関しては発見する事が不可能と悟り絶望するほど、透明なダイアモンドは水と同調します。万が一落としても、流れていかないように流し台の蓋が閉まっている事を事前に確認するのはマスト事項。大きなダイアモンドなのですぐ発見しましたが、とても高額品なのでかなり焦りました・・・・。

そして洗浄した「VVS2」ちゃんと格闘再開。VVS2のインクルージョン評価の基準になっているのはこの部分だと確認します。少し角度をつけないと視認できず、正面からは殆どみえない縦に伸びる小さなインクルージョンでした。尚、「VVS2」の評価基準は、「熟練のグレーダーが10倍に拡大してもインクルージョンを見つけることが非常に困難」なほど、すご~~くわずかな内包物のみを含むという評価です。画像の拡大率は恐らく300倍位なので、ルーペで確認するにはかなりコツがいります。

次は「SI1(Slightly Included1)」君とご対面。SI1のインクルージョン白いライトで見ても透明なインクルージョンが広範囲で薄く見えますが、ライトの色を変えるととても見やすくなります。「SI1」か「SI2」なのか悩みそうなインクルージョンですが、この位だと上振れ(SI1)すると認識し、常にこの作業の繰り返しが大切です。尚、「SI1」の評価基準は10倍に拡大した場合、比較的容易に一般の方(←ここポイント)でも内包物が確認できるという評価。インクルージョンの種類にもよりますが目で内包物が見えない場合が多いのもSIクラスの特徴でもあります。大きいカーボン(黒い内包物)があるとすっごく目立ちますけどね。

最後に「VS(Very Slightly Included)」ちゃんとご対面。VS1のインクルージョン発見しやすいインクルージョン様がコロンとありました。これの色が薄ければもう1グレードアップかな?。もしかしたら印の内包物以外にも、小さいのがどこかにあってそれがグレードに影響してる可能性もあるかな。尚、「VS1」の評価基準は、「熟練のグレーダーが10倍に拡大しても内包物の発見が困難」という評価。「VSクラス」というと真ん中的な評価イメージがありますが、実際には相当優秀な品質である事がご理解頂けるかと思います。

という事で今回はダイアモンドのクラリティグレードの3種類を確認しました。どのダイアモンドも肉眼でインクルージョンは確認できませんが、3つ順番に並べたのは価格順でもあり、1.042(G VVS2 VG)と1.046(H VS1 FAIR)の価格は倍以上(4倍位かな?)します。「いい品物の意味」は人それぞれ違い、「コスパ」や「品質」など意見は分かれると思いますが、自分で品質を確認できないダイアモンドグレードの一つ「クラリティ」に関しては、綺麗に見える「SIクラス」で十分だと私は思ってます。だって、目で見ても分かんないし、10倍に拡大したルーペですら見つける事って難しいのですから。もちろん綺麗に見えない「SIクラス」もあるのでその点は注意カモ。そういう認識を持っている私はコスパ重視の人間という事なんですね。でも、お金に余裕のある方は高グレードを購入して欲しいな。じゃないと中古市場に出回らないからね(笑)。

最後に宣伝ですが、ダイアモンドの買取は鴫原質店をご利用下さい。その場で査定ができますし、お見積はもちろん無料です。本日は以上でございます。

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